読書:統計学が最強の学問である 西内啓

投稿者: | 2013-08-11

最近どうやら流行っているらしいので読んでみました。

統計学の入門書として最初に読むといいのではないかと思いました。いきなり数式ばかり取り扱う純粋な統計学の入門書よりも、もう少し高い場所から統計学を眺める本書を読んでからのほうが後の理解度が高いのではないかと思います。というわけで内容は(本のタイトルからも察することが出来るかもしれませんが)一般人が理解できるくらいわかりやすく、かつ統計学を俯瞰的に眺めた本だと言えます。数式はあまり出て来ませんが、統計学によって得られる恩恵や最近ビジネス界やアカデミック業界で流行語になっている「ビッグデータ」や統計の諸々の手法、また統計学の流派に関する話題等、統計学を利用しない人も教養として知っておいてもいい内容だし、統計に携わっている方は必読だと思います。

ここからは個人的な感想ですが、僕もアカデミック分野で統計をなまじ扱っている人間ですが、自分が統計学という学問の中でどの辺りの分野の人であるかがわかったし、疫学分野での統計の扱われ方、計量経済学での扱われ方等には特に興味を持ちました。また終章「巨人の方に立つ方法」は主に研究者向けに書かれている気がしましたが、実際どのように統計を利用した論文を探すか等が書かれていて今後の研究に大いに役立ちそうでした。

ちなみに…
終章で著者が「〜どうやら日本ではランダム化を研究に取り入れているのは医学分野の生物統計家だけではないかということが示唆される」とあるように、日本のアカデミック会を始めとする多くの分野でまだまだ統計の利用が進んでいないということが伺えます。逆に言えば、ここに様々なチャンスがあるんじゃないでしょうかね。

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