読書:ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か エリヤフ・ゴールドラット

投稿者: | 2014-01-04

経営科学系の大学院生にもかかわらず、未だこの本を読んでいなかった。


ザ・ゴール

制約条件の理論(TOC(Theory of Constraints))という考え方を提唱したイスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士による小説である。海外のビジネススクールなどでも課題図書として読まれることがよくあるみたいだが、簡単にあらすじを書くと、納期に平気で遅れて閉鎖寸前だった工場を、悪戦苦闘しながらもたったの3ヶ月でグループ内で最も稼ぐ工場にしたという話である。このTOCの考え方は工場内だけでなく、サプライチェーン・マネジメント等にも応用が出来るということが本書にも書かれてあり、また実際にはサプライチェーン・マネジメントへの適用が主となっているようだ。そしてこの本を読んだ多くのプラントマネージャーが、内容を実践しただけで大幅に生産性が向上したという。

アメリカでの初版は1984年だが、日本では2001年。僕が持っている第10版(2001年8月31日)の帯には「全米で250万部突破!」と書かれているから、相当売れている。にも関わらずなぜ17年も日本で発行されなかったかというと、著者曰く「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」(著書、訳者あとがきより抜粋)だそうだ。それだけインパクトを与える本であったのはこのアメリカでの発行部数が物語っている。

…という客観的な評論だが、個人的にはTOCは多少心得ていた。というのもやはりTOCに関する話題は我々のように生産管理などを学んでいると時折誰かが口にするからだ。その際にはいつも「ボトルネック」という言葉が出てくる。本書にも頻繁に出てくる言葉だが、要するにボトルネックが生産性を決めるということである。ここまではわかっていたが、ではそのボトルネックをどのように改善・活用するかによって全体最適を実現させるかということを本書から学んだ。しかし生産管理といえばトヨタ自動車が生んだトヨタ生産方式(JIT)があるが、どのような違いがあるかということもこれから考察してみたい。(とういことはまだ大野耐一氏の「トヨタ生産方式」を読破していない。。)

参考
制約条件の理論 – Wikipedia
TOC──全体最適による業務改革戦略ガイド(1):サプライチェーンの原点TOCとは何か – ITmedia エンタープライズ

ああ
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です