この本を読むまで知らなかったんですが,筆者はカーネギーメロン大学でロボティクス研究所の所長を歴任したりと,ロボット工学,計算機科学の分野では世界のトップクラスの研究者.
金出武雄 – Wikipedia
素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術
人工知能分野のある人がおすすめしていた人なので読んでみました.内容は半分自伝のようなもので,それを通して研究者のロールモデルを学ぶことができます.研究者目指す大学院生や若手の研究者向け内容で,個人的にはとてもためになりました.やはり彼の専門性から,特にコンピュータサイエンスの分野の人には特にためになりそうです(他の分野であっても十分ためになります).2003年に出されたものですが,今読んでも非常に納得感のある内容だと思います.
タイトルにもある「素人のように考え,玄人として実行する」とは,
固定観念にとらわれず,自由な発想で考えることで,いままで気づかなかったことや見えなかったことに気づく=素人のように考え
卓越した技術力・実行力でアイディアを実現させる=玄人として実行する
だいたいこんな感じ.
最後に,印象的だった部分や実践したい部分をメモ的に箇条書き.
- 論文は「起承転結」.推理小説が参考になるらしい.できの良い推理小説は,転結に至るまでの伏線(起承)がすべて見事に絡み合って,問題が解決されていく.とかなんとか.
- アイディアは人に話が方がいい.話していくうちに,ロジックが固まっったり新しい発想が生まれることも.
- 想像力・企画力の土台は記憶力.
- 講演する場合(特に欧米?)では一番伝えたい部分から見せる
- 日本人英語は「But」から言い始める傾向があるが,やめた方がいい
- 英会話の練習は早口で,大きな声でしゃべる
- 英語聞くときは必死にやってはだめ
- 「日本独自の」とか言っちゃうあたりがローカル思考.アメリカ人は「アメリカ独自の」とか言わない.世界を目指せ
- 難しい話を,わかりやすく説明できる能力が大事