9月から自分の環境が変わったこともあり,最近はあまり本を読んでいませんでした.
最近は安定してきたので「積ん読」状態になっていた本を読んでいます.
1981年出版の古い本ですが,
・作文技術についての大まかな考え方
・具体的なテクニックの大部分
は今でも通用すると思います.(逆に本書のなかで通用しない,というか必要ない部分は原稿用紙のメモの仕方,スライド機の使い方,手紙の書き方といった,現代ではふつう利用しない部分です)
「理科系の」とはうたっていますが,ビジネス文書でも実践した方がいい内容です.
大まかな考え方は
「主題について述べるべき事実と意見を十分に精選し,」
「それらを,事実と意見を峻別しながら,順序よく,明快・簡潔に記述する」
です.具体的なテクニックは詳しく読んでもらうとして,これから日本語/英語の論文を書く際に有用な内容でした.これからも辞書的に参照できる本だと思います.
最後に,著者も指摘するように,日本の学校における作文教育は「文学に偏向」していてます.
「遠足についての作文は,『どこに行って何をし,何を見たか』がどれほど正確に,簡潔にかけているかによってではなく,書いたこどもの,またその仲間の心情の動きがどれだけ生き生きと描かれているかによって評価される」.
だから大学で1コマくらいこういう講義があってもいいと思いますね.
追記:論文書く場合はこちらも要チェック.「理科系の〜」の要所も書かれています